室町中期 水田派の祖【備中住国友】在銘

柾目流れる肌物片手打 沸づく互の目乱れ刃 生ぶ茎

時代永正頃 古水田 超貴重資料


■コメント■
ご覧いただきありがとうございます。

【銘】
『備中住国友』

備日本は豪族三村氏や戦国大名の毛利、宇喜多などの求めに応じ
古青江為次の末葉が阿賀郡水田村(現：岡山県真庭市)を中心として
後月郡荏原村や呰部郡松山村などで再興し、戦国時代の末期から
元禄頃には全国に広がり60余名の鍛冶を輩出して繁栄しました。

本国備中の水田派で最も技量優れ高名な『大与五国重』をはじめ
斎藤一の愛刀『鬼神丸国重』や江戸で活躍した『山城大掾国重』など
数々の良工が相州伝・山城伝系の名品を鍛えて人気を博しています。

古水田とは上述の水田鍛冶の中で室町期に造られたものを指し、
「井原住」の銘を切る初代国重や天正頃の三代国重が特に有名で
一説には大永頃の初代国重が水田派の祖と伝えらてきました。

しかし本工『国友』には大永以前、永正三年の年紀作が存在し
近年の研究では国友が水田鍛冶の祖であることが判明しています。


本作は現存極めて稀な『備中住国友』在銘の刀です。

刃長約2尺、姿健全ながら手持ち・振り抜き優れ
実用を重視した室町期独特の片手打の造込みを呈し、
板目流れ柾がかって肌立つ地鉄に地景入り淡く映り立ち
刃文は片落ち互の目に尖りごころの刃を交えた乱れを焼き
匂口締まって総体に小沸よくつき処々に喰違い刃かかるなど、
古雅にして如何にも斬れそうな出来を見せる優品です。

古水田の作は国重を含めて非常に数少ないことで知られており、
本作は水田鍛冶の足跡を辿る研究資料としても有意義な一振です。


備日本を代表する名流・水田派の開祖である『国友』在銘、
出来素晴らしい肌物片手打を末永くお手元でお楽しみ下さい。


ご不明な点などございましたらお気軽にご質問下さい。

■詳細■
◇◆ 寸法 ◆◇

刃長：60.4cm 元幅：2.86cm 先幅：2.00cm

元重：0.66cm 先重：0.48cm 反り：1.2cm 目釘孔：2個

刀身重量：576g

（素人採寸につき多少の誤差がある場合がございます）


◇◆
・刃切れ等の大きな欠点は見当たりません。
・多少のヒケや薄錆、鍛え等はご容赦下さい。
・柄に目釘孔が合う位置まで茎を収めると
ハバキと棟区の間に多少の隙間ができます。
・古物にご理解をいただき神経質な方は入札をご遠慮下さい。
・各所、画像にてご判断いただき不明な点はご質問下さい。

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